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【禁聞】「南水北調」の水が北京へ 福それとも禍?

2015年01月08日

 

【新唐人2015年1月8日】50年の論証と12年の建設を経て、中国の「南水北調」プロジェクトの中央ルートが完成し、北京への給水がついに始まりました。当局がそのメリットを大々的に宣伝しているものの、三峡ダムプロジェクト同様、着工から完成まで論争が尽きません。専門家は、南水北調の隠れた危険は三峡ダムよりも深刻で、中国に災難をもたらす根源になりかねないと警告します。

 

中共メディアによると、2014年12月27日、南水北調プロジェクトの中央ルートが完成し、北京への給水が正式に始まりました。これにより、「北京では年間10.5億立方メートルの給水が可能となり、北京の15の区と県で南部の水を飲むことができる」と伝えています。

 

「南水北調」は、湖北と河南両省をまたがる丹江口ダムから取水し、河南省と河北省を経由して北京と天津に水を送る国家プロジェクトです。

 

中共当局が宣伝を強化し、各業界の専門家がこぞって、南水北調のメリットをアピールしているにもかかわらず、メディアからはお祝いムードが見られませんでした。その実行可能性と生態環境への影響が注目されています。

 

複数の海外メディアも、北京への給水開始を報道した際、大陸のデータを引用して、中央ルートには330億ドル、人民元で2046億元が投じられたと伝えました。

 

官製メディア「新華網」はプロジェクトが着工した2003年、中央ルートには920億元が投じられると報じました。この二つの数字から計算すると、実際には予算の2.2倍の費用がかかったことになります。

 

また、海外メディアはそろって中国南部では降雨量が減っており、南水北調は北部の水不足を解決する短期的な解決策にしかならないと指摘しています。

 

ドイチェ・ヴェレはアメリカ・ポートランド州立大学のブリット・クロウ・ミラー(Britt Crow-Miller)助教授の話を引用し、結果を未来に託すこの種の発展モデルは短視的であると指摘しました。

 

また、南部で取水した水は途中で汚染が進み、北部に到達した際には使えなくなる可能性があるとも指摘しています。

 

北京の環境保護活動家 張峻峰さん

「生態学原理から分析すると、取水地区への影響は給水地区より、はるかに大きいでしょう。しかも長期的な影響です。人工的に手を加えると、必ず自然を変えてしまい。あるいは自然の動きを破壊します。疑う余地のないことです」

 

12月19日、アメリカのある物理学博士がネット上に評論文を発表し、南水北調プロジェクトに疑問を投げかけました。水汚染、泥砂堆積、経済効果など、各方面から分析を行い、プロジェクトは最終的に失敗に終わるだろうと指摘しました。文章は中国でも注目され、広く転載されています。

 

これを受け、中央テレビ、新華網などの官製メディアは直ちに宣伝を強化し、専門家を集めて、南水北調は「中途でやめることはない」と反論しました。

 

ドイツ在住の環境問題専門家、王維洛さんは、これは異なる声を封殺するための中共当局の常套手段であると述べます。

 

ドイツ在住環境保護専門家 王維洛さん

「中共は一貫して、反対意見は聞こうとしません。学者を集めて、政策の注釈をやらせ、いわゆる科学的論証を行います。中国の知識分子も名利を重んじます。これも名利を得る方法です。賛美さえ惜しまなければ」

 

南水北調は開渠(かいきょ)運河の方式で送水しています。しかし航行運輸のためではないため、船が通ることはありません。ただし、宣伝用の手段に使えると話します。

 

ドイツ在住環境保護専門家 王維洛さん

「開渠の送水形式を取り、航運を行わないのは最悪の選択です。しかし利点もあります。テレビに出し、写真が撮れます。航空写真を撮って、皆に見せるのです。『偉大でしょう』と。暗渠にすると何も見えないのです」

 

王さんは、流域をまたがる送水プロジェクトは、持続可能な発展理念に反すると述べます。南水北調プロジェクトは漢江から大量の水を北部に送りますが、これはその地域の発展に必要な水を奪うことを意味し、降雨期や干ばつ期に予想できない結果を招く可能性があります。隠れた危険は三峡ダムプロジェクトよりも大きく、中国に災難をもたらす根源になる可能性すらあると指摘します。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2015/01/02/a1165707.html (中国語)

(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/李)

 

 

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